思い出は濁流と共に流れて② | なごちゅう。

思い出は濁流と共に流れて②

どうも、お久しブリーフ。のび太です。

早速前回の続きと行きましょう。


【分かりやすい前回の解説】

大雨で会社の周りにできた池。

その池をはしゃぎながら颯爽と自転車で駆け抜ける女子高生を見て、僕は思ったのだった。


「あぁ、ブラは何色なのかな。」


と。

あと、昔の懐かしい思い出とか。

そうだ、あの日もそういえばそうだったんだ…。



僕、N君、H君は同じ中学の同級生だった。


当時の僕らの頭の中は、8割がセックスで、残り2割がおっぱいだった。

当然彼女はいないわけで、毎日のように「彼女、ほしいよなぁ。」なんて言ってる酸っぱい中学生だったわけだ。


中でも強烈だったのはH君だ。


彼は変態っぷりもグンバツな上に、リーサルウエポン並みのシャイボーイという目も当てられない世紀末っぷりだったのである。

僕とN君は「コイツはろくな大人にならないだろうな」と、二人して横チンをはみ出しながらよく思ったものだった。


ところが、ある日突然H君が驚きの告白を僕たちに継げたのだった。


H君「俺、○○に告白しようと思っちょる。」

僕「H!お前自分が何いいよるかわかっちょるか?」


○○とは、僕らの部活の後輩だ。

あっぱれH君、その意気だ!お前は今、いろんな意味で、一皮剥けようとしている!


H君「それで、今日部活の帰り告白するけぇ、一緒に帰れるようなんとかしてや。」


あ、やっぱり剥けきらんね、コレは。うん。


まぁそんな訳で、変態シャイボーイのH君は無事に告白ができるんだろうか…。

僕たち童貞トリオの固い結束が、とうとう崩れてしまう日が来てしまうのだろうか…。



以下、続きです。

(より詳しくはコチラ をどうぞ。)


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これから告白するってんのに相手を呼び出してってドンだけ少女漫画なやつなんだと、僕とN君はゲンナリしたんですが、他とないHの頼み。

言葉巧みに○○を誘い出し、四人で一緒に帰ることになりました。


しかしですね。そんな頼んで誘い出したくらいですから、やっぱりH君は面と向かって○○と喋れません。


何故か僕とN君が必死になって○○に喋りかける羽目になりました。



でも、こういうときに何を話せばいいか分からなかった。



本当に大切なことは学校では何一つ教えてくれない。


「先生!一次関数とかリトマス紙とかじゃなくて、どうやって女の子を楽しませるかをなんで教えてくれなかったんだ!」



僕とN君は、顔を引きつらせながら、心で泣いた。



それで、○○もつまんなかったんでしょう。痺れを切らしてココでお別れするわみたいなことになってしまいました。
あぁ、結局こうなっちゃったな、と。


そのときの僕たちのすぐそばには大きな川が流れてましてね。

折りしも前日が大雨だったこともあって、その川の茶色い濁流が引き起こすゴウゴウという音が、僕たちの無言の気まずさをより一層際立たせていました。



僕とN君のそのときの心境としてはですね、H君のために○○を呼び出したのにH君は一向に告白しないわ。しかもなんだか意味の分からない敗北感を味あわされるわで、正直H君にイライラしていたんですよ。


「コンチクショウ!この意気地なし!!お前の持ってる、あいだももの『不法侵乳』てAV、今度絶対貸せよな!!」


って○○が帰った後に、H君に要求してやるんだと言わんばかりにH君を睨み付けていました。


すると、多分H君に僕たちの考えていることがちょっとは通じたんでしょう。

H君がその帰り道で初めて口を開いたんです。


H君「ちょっと今日のこの川、凄いね!」


こんの変態がっ!言うに事欠いて増水した川のこと言ってどうするつもりじゃ!バカ!

もっとマシなこと言わんかい!!


と思った矢先に、H君が唐突に言ったのです。


H君「俺、ココ今から渡るわ!」

そう言って、H君は茶色い濁流を指差していました。





えっと、それは多分死にます。





H君の渡ると言っていたモノはですね、長さ25メートルくらいの川をさえぎる堤防のようなモノでして。

向かい側の岸に簡単に渡れるので僕らはよく橋として利用していました。


しかしその日は、濁流にのまれて橋はうっすらと見えるかなといった程度。


ビジュアル的には、サスケの最終ステージよりも生命の危機を感じさせる一品でした。



多分H君としては度胸を見せてこの女を手に入れるんだ!みたいな動物の本能が働いたのかもしれませんけど、これはどう考えてもヤバい。


さすがに目の前で友人に死なれるわけにはいかないと、僕とN君が必死に止めました。

しかし、当の本人のH君は。


H君「いや、今日の俺はなんか足の調子がいい気がする。」



いや、仮に足が調子よくても、君は頭の調子がおかしい。



何故か、かたくなに渡るといって聞きません。

「○○もあいつの事とめてくれ」と言ったらですね。


○○「えぇー、ホンマに渡れるン?」

とかまんざらじゃないご様子。

ちょっとこの女も頭おかしい。

僕「無理!死ぬで!」

N君「止めとけって。」

○○「Hさんなら、行けるかもー。」

この○○という女は、きっと10年後に「部長のこと一番愛してる。ねぇ奥さんと別れて。」とか言いながらベッドで飛び回っているんだろうな、未来の日本は暗いな。とか思っていたらH君が自転車で渡り始めてしまいました。



僕たちは今、一つの命が消えようとする現場に立ち会っているんだろうか。

そんなことを混乱する頭で考えていました。





果たしてH君の行方は?というかそもそも生きて帰れるの?といった感じで、H君の命をかけた告白は次回驚きのクライマックスを迎えます。ってことで、こうご期待。また来週。