おアツいのはチョメチョメ | なごちゅう。

おアツいのはチョメチョメ

熱くなる、というのは恐ろしい。



冷静さを忘れて、あと少しの深呼吸が足りないばかりに手痛い思いをしたりする。


UFOキャッチャーの落ちかけ(の様に見える)ぬいぐるみ然り。


キャバクラの落ちかけ(と錯覚する)おネェちゃん然り。


あと少しで当たりのきそう(と勘違いする)スロットに然り。



とにかく、冷静さがあれば。

下半身や欲望にまみれた心に渦巻く血流が、もう少し脳みそに行き届けば。


そう思ってはばからない訳で。



例えば仮に、家でトイレのドア開けたら知らない人がうんこしてても落ち着いて挨拶できるくらいの冷静さを身につけたいと思うのです。


そして、それに少しでも近づけるようにと、常日頃から冷静さを欠かないように努めてるつもりです。


そんな僕ですから当然、会社でもミーティングのテーブルの近くをOLがヒールをカツカツさせて通って行っても心は常にニュートラル。

チラ見で終わり。

あとちょっと匂い嗅ぐくらい。




しかしこのミーティングのテーブルで、通って行ったOLをせわしなく二度見、三度見をしてやまない人物が一人。



その人物こそ今日の主役、K係長(独身、推定50歳)、通称カメちゃんであります。



このカメちゃんというお方は、ビジュアルは前歯が全部抜けた状態のバナナマン日村で、

あとは少しキツめの加齢臭と謎の香水がミックスした南国(ホーチミンとか)の匂いを漂わせる妖怪のようなイケメンです。


これだけでも十分、日本プロレス協会ですら通用しそうな風貌なんですが、

それを超越する異常な凶悪さがカメちゃんのキレっぷり。


仮にカンニング竹山のキレぶりを1タケヤマとしたら、カメちゃんのキレっぷりは20,000タケヤマをはるかに超えます。


とにかく直ぐキレる。


業者に不手際があったらキレる。


身内にめんどくさいことが起きてもキレる。


箸が落ちてもキレる。



最近の若い子はよくキレて大変だなんて耳にしますが、

上には上がいる。


青年よ、カメちゃんを見習いなさい。


ほらまた電話口でまたキレてる。


ふむふむ。きっとコレはコピー用紙がないんでしょうな。




まぁなんというか。この際、何故カメちゃんがこれほどキレるのかはさして問題ではありません。

きっとカルシウムが足りてないからキレやすいんでしょう。前歯が全部ぬけてるのもきっとそう。


むしろ興味深いのはそのキレ方でしょうか。

カメちゃんのキレるメカニズムは簡単で、


①自分で話してる内にだんだんヒートアップしてくる(自己加熱)

②自分の大きな声に興奮してキレる(自然爆発)


この①⇔②を繰り返す、まるで核反応炉のような凶悪ぶり。他に類を見ません。




恐らくここまでの文章を読んだ9割の方は、カメちゃんをマジキチと勘違いされて、一緒に仕事がしたくないかもしれませんね。

えっと、賢明です。


しかし、残りの1割の方は「いやいや、きっとカメちゃんにも言い分があるんだ」とおっしゃるかもしれません。


キレるにはそれなりの理由があるはずなんだ、と。

無意味にヒートアップしてキレてる訳ではないはずだ、と。




いや、無意味なんです。残念ながら。


異常にヒートアップしていって、もう訳分かんなくなっちゃうんです。悲しいことに。




先日の事でした。

カメちゃんと、上司が言い争いをしておりました。


だんだんと二人の語気が強まり、ヒートアップしていきます。カメちゃんもすっかり自己発熱サイクルに突入し爆発寸前です。



あぁ、いく!カメちゃんがそろそろいくよ!!

と、まぁセリフだけ見るとなんとも卑猥な感じがしますが、今や爆発という瞬間、その刹那、先に爆発したのは上司でした。




上司「お前の今日の成果は会社の利益でなんぼになるんや!!」




うわキツー。


さすがにこれは萎える。カメちゃんドンマイ。今日は素直に引きますか。


といって引くようなキャラはせいぜい数100タケヤマレベル。20,000タケヤマは桁が違います。


言われた次の瞬間、既にカウントダウンに入ってたカメちゃんはやっぱりエクスプロージョン。





カメちゃん「利益ひゃ、ひゃ…百円やっ!!!」





うおおおおおおおおおおおおい。



百円んんんんん。







まぁなんというかね、やっぱり冷静さって大切だと思うんですよ。


冷静に考えられたら、自分の一日の働きの成果で、一本のジュースが買えるか買えないか、いややっぱ買えない。っていう不思議な自己評価に違和感を感じるかもしれないし、いややっぱカメちゃんなら冷静でも気づかないかもしれない。



とにかく、どんなときも、誰しもお熱いのはダメよ。ってことで。



家のトイレのドア開けたらうんこしてた知らない人に、挨拶はできなくても、

せめて精一杯の笑みを浮かべて、何事も無かったかのようにそっとドアを閉めてあげるような。


それでそのまま110番できるような。


そんな冷静さを忘れないようにしたいものです。




それではまた。


さよなライオン。