ため息豚野郎 | なごちゅう。

ため息豚野郎

フレッシュというのは素晴らしい。



この季節になると、毎年思うことだ。


それは別に大学時代も、大学院のときもそうだったし。

もちろん会社に入ってもそう。



例えば通勤の電車に乗っても、

多分新入社員と思しき集団が談笑してたりする。



嬉々とした表情で、自分の将来や、最近覚えた仕事の話を楽しそうに語りながら


無限に広がる自分の未来の輝かしさを信じて疑わないあのHITOMI。



「不安もいっぱいですが、期待感で溢れています。」



とかシラフで言っちゃうんでしょう。

いいじゃないですか。素晴らしい。



かたや僕の近くの机の先輩Nさんは、会社につくや否や、

僕の一年分相当のため息を一気に吐きながら「あかん。あかん。」とつぶやいています。



そのリアルツイートを小耳に挟みながら、

メールをチェックすると今日もまた気の滅入るようなメール&メール。そして先輩にもらいため息。



やれやれ、今日もまた陰鬱な一日が始まりますわ。






『ちょっと待って。』





僕「ん?あれ?」





『ちょっと待ってよ。』





僕「先輩、今何かいいました?」


先輩「はぁぁぁぁ。いや、何も。」




『先輩じゃないよ。』




僕「先輩、とうとう僕は頭がアレになったかもしれません。」




『頭がおかしいのはもとからよ、でもね、最近は心もダメね。』




僕「どういう事でしょうか?」




『フレッシュが羨ましいって、いつからそんな偉くなったの?朝からため息ついて、いつからそんなに後ろ向きになったのかしら。今日一日はこれから始まるんだから、メール一通の内容なんて、これからどうにでもなるじゃないのこの腑抜けが』




ガガーン。




そうだ、たしかに僕も会社に入った頃はもう少し前向きだったと思う。

なんだか情熱と狂気をミキシングして一気に飲み干したみたいな、

さかなクンみたいな異常なハイテンションで


「ギョギョ!!」


とか言ってたかもしれない信じたくないけど頭イってたかもしれない。


それが最近の電車の中のさかなクン達をぼんやりと眺める僕はもはや完全に生魚。



いつからだろうか。

僕の目が濁り始めたのは。



そうだ、もう少し前向きになって。

ハの口で出すため息も、フの口で出すようにしたら少しはやる気もでるでしょう。



僕「ありがとう、どこの誰かはわからないけど、なんだか元気でました。」





『うるさいんだよさっさと仕事しろ豚野郎。』






という妄想が止まらない、日曜日の夜。



なるほど、5月病です。