いつだって理想は儚くて、現実は残酷で、ラウンジは程遠いのです
誰しも生きている限り、心の内面には理想を掲げて生きてるんです。
「もっとかっこ良く/可愛くなりたい。」
「もっと給料稼げるようになりたい」
でも、そこにあるのは現実とのギャップ。
そのギャップは時に残酷で、時に耐え難いものだったりする。
例えば僕の理想なんて言えばこうだ。
先輩「野比、今日はとことん話聞いてやるからな。」
そう言いながら、先輩Oさんが微笑んでくださったのが先週の金曜日のことでした。
僕は、「なんていい先輩なんだ。こういう人間にならなくちゃ☆」と思ったものです。
先輩についてゆくこと数十分。ピタリと歩みを止めて指差すは一件のお洒落なバー。
先輩「野比、そこが俺の行きつけの店や。」
最近の僕の運の悪さを考えると、店の門をくぐると外見と裏腹な内装を考えてしまいましたが、なんてこった。
内装までバッチリ、嬉しいことに期待を裏切られました。
でも実際にはこう。
先輩「野比、今日は帰さへんで。」
そう言いながら、先輩Oさんがニヤリと笑いかけながら、僕は硬直した片頬を上げて笑顔をつくったのが先週の金曜日のことでした。
僕は、「完全に終わってます。こういう人間にならないようにしなくっちゃ☆」と身をもって痛感したものです。
先輩になかば強制的につれられてゆくこと数十分。ピタリと歩みを止めて指差すは一件の民家。
先輩「野比、そこが俺の行きつけの店や。」
あぁ、どうみてもスナックです。本当にありがとうございました。
そして最近の僕の運の悪さを考えると、店の門をくぐると店の外見にヨロシクなおばちゃんがコンバンワしそうだなんて考えていましたが、なんてこった。
オバアチャンでした。
内装もまた昭和で、悲しくも期待通りでした。
拝啓お父さん、サラリーマンって、大変なんですね。
最近やっとわかりました。ちょっと理想が高すぎたみたいです。
それでも、スナックじゃないにしてラウンジくらいにしてよと、せめてそれくらいの理想は叶えてよと。
と声を大にして叫びたい気持ちを抑えつつ、
また明日から一週間頑張ろうかと思います。
それではまた。